第73回PDM21東京Web会議 2024.9.11

9月8日はPDM21の創設者、眞坂信夫先生の5回目の命日でした。会の最初に黙祷をさせて頂きました。

症例発表: 長谷川歯科診療室 長谷川 晃嗣先生

タイトル 「再破折症例に対して歯根端切除で対応した症例」

破折接着治療の再破折症例に対して歯根端切除で対応することは以前より行われてきましたが、中でも難しい上顎大臼歯の口蓋根病変や、下顎大臼歯の舌側からの歯根端切除術についてご発表いただきました。また、回転切削器具が歯肉を巻き込んで傷つけたりしやすい条件においても安心な、ピエゾサージャリーでの歯根端切除術についてご紹介いただきました。

頬側から頬側根と一緒に口蓋根を切除する方法は、目から鱗でした。上顎の口蓋側から、もしくは下顎の舌側からのアプローチは難易度も高く、無闇な治療は上顎では口蓋大動脈の損傷・下顎では舌神経の切断により舌に麻痺が生じるリスクもあります。縦切開を用いずに歯頚部の切開のみで歯肉弁を挙上していく方法は、挙上だけでも大変な上、狭い視野での歯根端切除にはコツが必要ですが、先生ご自身の勘所を丁寧に説明して頂き、それまで具体的にイメージしにくかった口蓋側や舌側からのアプローチが明確になりました。

歯根破折治療は、脆弱な状態の割れた歯牙を機能させていくためには、歯内療法・補綴・矯正・咬合様々な全ての分野において、高いレベルでの対応が必要です。そのような治療を長年続けていらっしゃるPDM21の先生方は、すべての分野において探究心が旺盛で新しい技術を取り入れて挑戦していらっしゃる方が多いので、毎回学びと驚きにあふれています。

長谷川先生、貴重な症例の共有をありがとうございました!

 

長谷川先生歯根端切除術1

長谷川先生歯根端切除術1

長谷川先生歯根端切除術2

長谷川先生歯根端切除術2

長谷川先生歯根端切除術3

長谷川先生歯根端切除術3

長谷川先生歯根端切除術4

長谷川先生歯根端切除術4