2022111日の第58PDM21東京Web会議では、関屋デンタルクリニック駒沢の関屋亘先生に、破折歯接着保存治療について症例報告を発表して頂きました。スーパーボンドを用いた保存症例はもちろんのこと、破折接着保存治療以外の、ヘミセクションや矯正、歯牙移植などの症例も盛り込まれて大変興味深い内容でした。

 陳旧性の歯冠・歯根破折は、咬合負担の過剰な口腔内環境で起こります。そのため患歯に咬合力が集中するような咬合関係、歯列不正の矯正・咬合調整・歯冠形態修正などによる補正、マウスピースなどのブラキシズムのコントロールも必要です。しかしながら、接着した破折歯の強度は、最大でも6割程度に低下するため、咬合負担に耐えられずに炎症を起こす歯については、接着保存以外の選択も重要になってきます。場合によっては、破折歯接着保存よりも、抜歯して矯正、歯牙移植、インプラントの方法が、受診者にとって最善と判断する場合もあります。

 頭を柔軟にして、目の前の受診者にとっての最善を提供する気持ちを忘れないようにしたいと思い起こさせてくれる、素晴らしい関屋先生の発表でした。関屋先生、お忙しい中の発表のご準備有難うございました!

第58回PDM21東京Web会議2022_1_11