症例発表 2025.5.14

今回は、直前に発表者の変更があったために、長谷川先生と大村先生からお申し出を頂き、急遽お二人に症例発表をお願いすることになりました。

 

  • 「6年間冷凍保存した歯牙の移植」

当院では抜去歯牙の冷凍保存を10年以上前から行なっています。

今回「初めて」6年間冷凍保存しておいた歯牙の移植を経験しましたので紹介させていただきます。

長谷川歯科診療室 長谷川 晃嗣先生

  • 「保存の難しい歯に対し、歯を保存・活用する治療で対応した症例」

(歯周組織再生療法、歯牙移植を中心に)

なえぼ駅前歯科 大村 修一先生

 

文京区に診療室を構える長谷川晃嗣先生は20年近く前から、積極的に歯牙の冷凍バンクを患者様に提供されていたそうですが、冷凍保存していた歯牙を実際に移植した症例は今回が初めてとのことでした。液体窒素の中に、他の歯牙と一緒に凍結するためか、感染症の検査項目が多く、検査を好まずに歯牙保存をやめる患者様の数も少なくないそうです。抜歯のタイミングと保存液の到着の日時を合わせ、抜歯したら速やかに送り返すこと。今回の移植に際して、歯牙保存バンクから送られてきた歯を、移植手術のタイミングに合わせて解凍する様子を実際の写真で見せて頂いて、この手法に対する理解が深まり、導入への意欲も増しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつも、新しい技術を積極的に取り入れて、患者様への最善の治療を実現していく長谷川先生の姿勢には、いつも敬服しております。冷凍保存していた歯牙が生着した実例を見せて頂いて、今回も大変勉強になりました。お忙しい中、素晴らしい発表を本当にありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続いて、北海道で開業されている、なえぼ駅前歯科大村修一先生から、歯周病の症例を共有して頂きました。

 

まず、骨代替材とメンブレンの歴史的推移」を表にしてわかりやすく紹介して頂きました。

骨代替材は、同種骨・異種骨・TCP・HA・炭酸アパタイト・リン酸オクタカルシウムに至るまで。膜は初期のゴアテックス膜から、吸収性膜に至るまで、整理して明示して頂きました。

大村先生は、成長因子は主にエムドゲインを使用されているとのことで、貴重な症例をたくさん見せて頂きました。

中でも印象的だったのは、ソケットリフトを歯の移植に用いた症例でした。もともとソケットリフトは歯牙移植術のために応用されたことを伺いました。歯根膜が存在する天然歯の方が、生着しやすいことは伺えますが、症例写真を拝見してもお見事としか言いようのない症例に感動しました。

 

 

 

 

 

当会の会員先生方の歯科医療への取り組みは、本当に積極的であり、真摯であり、症例をするたびに心新たになります。

 

長谷川先生、大村先生、素晴らしい症例発表を本当にありがとうございました!