11月だというのに東京都心でも夏日となり、暖かいを通り越して暑い日が続きました。

寒さが苦手の私としては有難い気もしますが、地球温暖化の影響での異例の暑さでは、この先が思いやられます。数年後に振り返れば、ここ数年で2023年が最も涼しい一年でした、ともなりかねません。

 

さて、私の近況ですが、PDM21の創設者である故 眞坂信夫先生が開設された眞坂歯科医院に私の医院を事業譲渡し、現在はその診療室で週2日の診療を行っています。

体は少し楽になったように思いますが、結局、これまでの5日分の忙しさが2日に凝縮され、診療日は精根尽き果てて診療室を後にするような状況です。

 

私はもともと、インプラント専門医でしたが、現在では初診の患者さんの99%が歯根破折のご相談の方です。

当院が東京駅に近いため、相変わらず遠方から来院される方も多く、都内ではこの治療を手掛ける医院も増えて参りましたが、地方はまだまだ数が少ないのだと実感します。

埼玉より当院に通院されているある患者さんのお話ですが、この方は数年前、故 眞坂信夫先生がご存命であるとき、信夫先生の歯根破折について相談されたそうです。

その際、埼玉から自由が丘への通院は大変なので、埼玉でもこの治療が受けられるようにしてほしい旨を信夫先生に話しされたところ、「今、頑張っていますから、もう少しお待ち下さい。」と言われたそうです。

 

結論として、この患者さんは数年経ってもご自宅近辺に破折歯保存治療を手掛ける歯科医院が見つからず、ネットで検索し、自由が丘より交通の便が良く、信夫先生より直接、指導を受けた私の京橋の診療所にお越しになりました。

信夫先生のご長女の眞坂こづえ先生が書かれた今年9月のブログを拝見すると、信夫先生がお亡くなりになって4年が経ったのですね。時間の経つのはなんとも早いものです。

 

信夫先生の御遺志の通り、この治療法が全国的に市民権を得て、自分の歯を残したい患者さんが遠方まで通院しなくても済むよう、治療法の普及を切に望みます。

 

吉田デンタルクリニック

吉田 浩一