事故により前歯を重度に破折してしまった児童が 治療のため受診されました。

自転車で顔面から転んだり、交通事故に遭われた場合はなど顔面から出血がある場合など、緊急で外科が最優先に選択するのが一般的である。

その際には口唇や顔の腫れに対する治療が行われ、少し落ち着いてから歯科を受診される。

多くの場合は、歯根と歯冠の破折、歯の位置が移動、場合によっては既に歯がなくなっている場合もある。

 

事故による前歯の破折 井畑信彦

今回経験した少年は13歳で事故から既に10日経過後受診された。

左右前歯の破折を認め特に右はCTで撮影すると十文字の破折が認められた。一本はなんとかなるがもう一本は絶望的であった。

事故による前歯の破折 井畑信彦

 

13歳の前歯を喪失した場合治療の選択肢

☆インプラント治療

一般的に上顎は12歳頃で発育は90%以上終了しています。しかしまだ成長期である為インプラント治療を用いた場合は発育する過程で埋入位置の変化、何よりも発育阻害の原因になる事もあるのでインプラント治療は禁忌になります。

☆ ブリッジによる治療

上記の理由でブリッジに適応される事もほぼありません。個人差があって発育成長が終了していると何らかの検査でわかったとしても、隣の健全な歯牙を形成して固定装置を入れる歯科医も何らかな成長を考えると存在しないでしょう。

☆ 入れ歯による治療

これらの理由から入れ歯が選択されます。ただし、一年の間で急な成長も見込まれるので小まめに口腔内を観察して、その都度入れ歯を変更しなければなりません。

 思春期と入れ歯

小学校を卒業してまもない少年に入れ歯では、恥ずかしさ、場合によってはイジメにも繋がる恐れの為多くの少年、少女は口をつぐんで生活を送ることになることが予想されます。

 

思春少年を救った破折歯治療

少年は21歳になり先日来院。『右上の歯肉の粒状腫れが気になる』との主訴で21歳にて来医院。引っ越しもあり来院の機会がなかったこと告げら得た。口腔内の左右前歯は神経が死んで変色は認めるものの、歯列の不正など違和感は感じなかった。そして8年前の治療内容を説明するととても感謝して帰られました。

 

いばた歯科

井畑信彦