2023年6月14日第63回PDM21東京Web会議では、小金井市で開業のヒロ歯科 高澤博幸先生をお招きして、「再発の予防を追求する 歯を大切にする、患者さんを大切にする歯科を目指して」というテーマでお話いただきました。

破折歯接着保存治療に携わっていると、同じ歯に最初う蝕ができて、う蝕再発で抜髄、入れたクラウンが欠けてくる、もしくは脱離を繰り返し、最終的には歯根が割れている、という診断に至る、というケースによく出会います。

その歯の問題は、その歯に限局しているわけではなく、顎関節の状態、埋伏智歯の萌出力により既存の歯牙の傾斜・挺出などの移動による咬合状態の変化、平衡側干渉、犬歯ガイドの有無、など、さまざまな要素が関与していることを、症例を紹介しながらお話していただきました。高澤先生は根本から改善を望む患者様に対しては、全顎的矯正を含め、歯冠形態の調整、ガイド付与、生活習慣の改善指導などされていらっしゃるそうです。

近年、ご自身の咬合力でご自身の歯を壊していらっしゃる患者様に出会う頻度が増しているように感じます。割れるまで至らずとも、歯に原因がない口腔領域の痛みで悩む患者様が、口腔習癖の改善指導や、咬合関連筋にボトックス注射で弛緩させたりする療法も出てきています。

破折歯接着保存治療は、元の歯よりも強度が増すことはありませんので、総合的に患者様にご自身の歯を長く健康に使っていただくために、あらゆる方面からお手伝いできるようにPDM21は研鑽を続けていきます。

 

高澤博幸先生1高澤先生2

高澤博幸先生2